• 半導体製造および自動車部品用途に向けたスーパーエンプラ材料の開発・生産体制を強化

2012年7月31日 – プラスチックス成形部品の特殊加工メーカーである佐藤ライト工業株式会社(代表取締役:佐藤伸夫、本社:三重県津市)は、半導体/エレクトロニクス用途向け圧縮成形母材や自動車をはじめとする各種産業分野に向けた特殊コンパウンドなど、高機能性樹脂材料の開発および生産体制の拡充を図るため、三重県津市の工業団地「中勢北部サイエンスシティ」に新工場用地の取得を決め、2012年7月30日に津市役所にて立地協定調印式を行った。

本件に関する投資額は土地購入費を含め非公表。

佐藤ライト工業が取得する工場用地の概要は以下の通り。

所在地: 三重県津市あのつ台五丁目1番1 M-1区画
敷地面積: 全面積 15,538.52平米(平場面積 12,560.76平米)
土地購入者: 佐藤ライト工業株式会社
目的: 研究開発および生産拠点の新設
着工: 2013年9月予定
操業開始: 2014年4月予定

佐藤ライト工業は、高精密な射出成形技術および独自の超音波溶着技術を駆使し、OA機器部品や自動車部品および家電製品といった各種樹脂製品を設計・製造している。また、これらの製品に利用される高耐熱性や高機械強度、静電気の帯電防止といった特性が要求される樹脂部品の成形に当たっては、樹脂メーカーから一次供給されるベース樹脂に対して炭素繊維やガラス繊維などの各種フィラー(充填材)を配合したコンパウンド材料が多用されている。このため同社では、2006年より顧客が要求する物性を満たす特殊コンパウンドの自社開発を開始し、さらに2008年には超耐熱性PBI(ポリベンゾイミダゾール)樹脂や各種高機能性樹脂材料の開発・販売を手掛ける株式会社PBIアドバンストマテリアルズ(代表取締役:佐藤伸夫、三重本社:三重県津市/東京本社:東京都中央区、以下PBI-am)を設立するなど、樹脂材料開発を同社事業の第二の柱として展開している。

これまで同社およびPBI-amでは、佐藤ライト工業・亀山工場内(三重県亀山市)のプロダクトセンターを拠点に、各種樹脂材料の開発および生産を行ってきた。近年、半導体の製造および検査工程で使用される治具用途において、削り易くバリが出にくい優れた切削加工性、顧客要求に併せてコントロールされたESD(静電気帯電防止)特性などの各種機能を発揮する同社加工用母材の需要が高まっているほか、自動車部品向けでの引き合いも増加している。このため現在のプロダクトセンターでは将来的な生産能力拡張に向けた成形機の増設スペースや研究開発スペースの確保が難しくなっていたことから、同社では新たな工場用地を探していた。

佐藤ライト工業の佐藤社長は「2014年に稼働開始を予定している新工場は、佐藤ライト工業およびPBI-amの材料開発と生産の新拠点として機能し、半導体/エレクトロニクス向け圧縮成形母材や自動車部品に向けた特殊ペレットのコンパウンド生産を行う予定です。」としており、加えて「コンパウンド生産では様々なフィラーを利用していますが、その中でもカーボンナノチューブは取扱いの難しい材料です。新工場には集塵装置を備えたナノフィラー用の専用作業ルームを完備する予定です。」と話している。

またPBI-amの佐々木常務は「当社では高耐熱性を発揮するPBI樹脂やPEEK(ポリエーテルエーテルケトン)樹脂といったスーパーエンプラをベース樹脂に用いた高付加価値なハイエンドの特殊材料を主に開発しています。新工場では、最近顧客からの要望が増加しているPI(ポリイミド)樹脂系の特殊材料についても開発・生産を強化していく予定です。」とコメントしている。

中勢北部サイエンスシティ(http://www.info.city.tsu.mie.jp/modules/dept1065/article.php?articleid=15)は、研究開発、生産、物流、営業といった事業活動の拠点として2000年より津市が分譲を開始した総合的な産業団地であり、佐藤ライト工業は48社目の進出企業となる。

         

【佐藤グループについて】

佐藤グループは、佐藤ライト工業株式会社を持ち株会社とする樹脂加工メーカーです。三重、大分および東京を拠点に、材料開発から射出成形、超音波溶着、圧縮成形、ヒートシールといった様々な加工技術を駆使し、ユーザーニーズに適合した製品の設計・開発から組立までのトータルソリューションを提供しています。同社では、独自に生産設備の開発を行うことで生産効率の向上に務めると共に、厳しい品質管理により生み出された製品は、OA機器部品・自動車部品・家電製品などの幅広い分野に供給されています。http://www.sato-gr.co.jp

【PBIアドバンストマテリアルズについて】

佐藤グループの一員である株式会社PBIアドバンストマテリアルズ(PBI-am)は、超高耐熱性樹脂であるPBI(ポリベンゾイミダゾール)の日本国内向け販売を手掛けるほか、樹脂メーカーから一次供給される材料に対して炭素繊維やガラス繊維などの各種フィラーを配合したコンパウンド材料の開発・販売を行っています。PBI-amでは顧客が要求する特性を発揮する様、特に高耐熱性樹脂材料に対して各種フィラーの配合をカスタマイズすることにより、顧客の要望に特化したカスタマイズ・コンパウンド材料を設計し「PBi Shapes」のブランド名で販売すると共に、自社内で加工用母材、機械加工完成品および射出成形完成品を製作しています。 https://www.pbi-am.com/

特殊樹脂材料の開発および生産の新拠点開設に向け、三重県津市に工場用地を取得