ベースレジン

Base Resin

PBIアドバンストマテリアルズ は、スーパーエンジニアリングプラスチックとして代表的な「PBI」「PEEK」「PI」「TPI」をベースレジンとし、各種のフィラーを添加することによって、お客様の用途に適した材料を開発しています。

PBI (ポリベンゾイミダゾール) [Celazole※]

PBIは、NASA (米国国家航空宇宙局) と AFML (米空軍材料研究所) が共同開発した高機能樹脂であり、600°Cを超える熱分解温度を持ち、HDT (荷重たわみ温度) は410°C、ガラス転移点が427°Cという樹脂材料中、最高の耐熱性を発揮する超耐熱性樹脂です。

現在はアメリカのPBI Performance,Inc.が原料の唯一の製造元であり、佐藤グループは同社から成形ライセンスを受けて製造をおこなっています。


PBI樹脂の沿革については、こちらをご参照ください。


※CelazoleはPBI Performance Product社の登録商標です。


基本物性
項 目単 位規 格物性値
ガラス転移点 (Tg) °C   427
引張強さ MPa ASTM D638 160
引張りひずみ % ASTM D638 3.0
曲げ強さ MPa ASTM D790 220
曲げ弾性率 GPa ASTM D790 6.5
アイゾット衝撃強さ (ノッチ付) J m-1 ASTM D256 30
PBI系の母材はこちら

PEEK (ポリエーテルエーテルケトン)

熱可塑性の樹脂としては、耐熱温度が高く、連続使用温度は260°Cあり、カーボンファイバーやガラスファイバーで強化したグレードは荷重たわみ温度300°C以上を示します。この特徴を利用して半導体用のキャリアや、耐熱が必要で耐摩耗性が重視される自動車のオートマチックミッションのシールリングなどに使用されています。

耐薬品性はフッ素系の樹脂についで優れており、また、フッ素系の樹脂より剛直である為、耐薬品性が必要で硬さも必要となるハードディスクの製造治具や、耐水性が良いことから住宅の配管用部品などに使用されています。

PBIアドバンストマテリアルズでは、圧縮成形法でPEEKの成形を行っておりΦ300以上の大型の加工用母材の生産も行っています。


基本物性
項 目単 位規 格物性値
ガラス転移点 (Tg) °C   143
引張強さ MPa JIS K7161 100
引張りひずみ % JIS K7161 45
曲げ強さ MPa JIS K7171 165
曲げ弾性率 GPa JIS K7171 4.1
シャルピー衝撃強さ (ノッチ付) kJ m-2 JIS K7111-1 7.0

PI (非熱可塑性ポリイミド)

PI (ポリイミド) はイミド結合を含む高分子化合物の総称で、Tgは410°C、荷重たわみ温度は380°Cを示します。

機械強度が高く、耐熱性、電気絶縁性や耐薬品性に優れるため、電気電子分野で幅広く利用されています。


基本物性
項 目単 位規 格物性値
ガラス転移点 (Tg) °C    410
引張強さ MPa JIS K7161 86
引張りひずみ % JIS K7161 7.5
曲げ強さ MPa JIS K7171 110
曲げ弾性率 GPa JIS K7171 3.1
シャルピー衝撃強さ (ノッチ付) kJ m-2 JIS K7111-1 -
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TPI (熱可塑性ポリイミド)

熱可塑性のポリイミド樹脂は、メーカーが推奨する使用温度が240°Cまでで、射出成形グレードは非晶の状態で成形されます。非晶の状態で射出成形をされる場合、寸法安定性が半結晶性の樹脂であるPEEKよりも安定していることが特徴です。

射出成形グレードを結晶化させると耐熱性はPEEK以上の値を示し、ナチュラルの状態で荷重たわみ温度は315°Cを示します。

PBIアドバンスマテリアルズでは、この結晶した状態での耐熱性に注目し、圧縮成形の手法にて結晶化した状態の加工用母材の製作を行っています。


基本物性
項 目単 位規 格物性値
ガラス転移点 (Tg) °C   246
引張強さ MPa JIS K7161 92
引張りひずみ % JIS K7161 90
曲げ強さ MPa JIS K7171 137
曲げ弾性率 GPa JIS K7171 2.9
シャルピー衝撃強さ (ノッチ付) kJ m-2 JIS K7111-1 -

各種フィラー

PBIアドバンストマテリアルズでは、上記のスーパーエンプラに各種のフィラーを添加し、お客様のニーズに特化した特殊グレードを設計致します。当社で使用している主なフィラーは以下の通りです。

PAN系カーボンファイバー

ベースレジンに強度向上の目的で補助材として用いられます。

ピッチ系カーボンファイバー

通常、PAN系よりも熱伝導性が良いため、摺動環境下にある樹脂そのものの温度を下げることができるため、主に摺動性向上の目的で使用されます。PAN系ほど強度向上の効果は見られません。

ガラスファイバー

ベースレジンに強度向上の目的で補助材として用いられます。カーボンファイバーを用いた場合は樹脂に導電性も付与されてしまうため、特に絶縁特性が必要な場合に用いられます。

ケッチェンブラック (KB)

ケッチェンブラックは表面帯電防止 (ESD) グレードに使用されます。

ポリテトラフルオロエチレン (PTFE)

ポリテトラフルオロエチレン (PTFE) は摺動特性を得るための固体潤滑材として使用します。

グラファイト (Gr)

グラファイト (Gr) は摺動特性を得るための固体潤滑材として使用します。

等方性ウィスカー

等方性ウィスカーは、機能性セラミックスの一種で、三次元形状によって、樹脂などに配合した場合に他の複合フィラーに見られない優れた効果を発揮します。特に、成形物の異方性緩和効果 (寸法安定性の向上)、帯電防止性能の付加効果などが期待されます。

セラミックウィスカー

セラミックウィスカーは機能性セラミックスの一種で、酸化アルミニウム (アルミナ) に似た特性を示す複合酸化物です。高アスペクト比、低線膨張係数に加え、高強度や高弾性率といった優れた機械的特性を有しています。特に、アスペクト比が大きいことから、高いフィラー補強効果を得ることができます。