SCM5200シリーズ
PBIアドバンストマテリアルズ (PBi-am)では、微細加工用 高弾性率PEEK素材としてSCM5200シリーズの販売を行っております。SCMシリーズはPBIメソッドを使用した圧縮成形で生産されておりますので、非常に異方性の小さい素材となっております。特にSCM5200-50は、微細加工用 高弾性率PEEK (Rigid PEEK-50) として、幅広いお客様にご使用いただいております。
SCM5200シリーズ ラインナップ
特徴 | 曲げ弾性率 (23°C) | |
SCM5200 | 標準グレード | 9.5 GPa |
SCM5200-15 | 低発塵グレード | 7.0 GPa |
SCM5200-50 | 高弾性率グレード | 13 GPa |
SCM5210-5020 New | 超高弾性率グレード | 21 GPa |
SCM5210-5020
半導体チップの微細化に伴い、ICソケットにも微細加工が求められ、より高弾性率の素材が必要とされてきております。また、半導体前工程で使用されるプローブヘッドにも、微細加工に加え、低線膨張係数の材料が要望されております。そこで、PBi-amでは、超高弾性率、低線膨張率 PEEK素材 「SCM5210-5020」 を開発し、販売を開始いたしました。
![]() |
SCM5210-5020 外観 |
単純にフィラーの添加量を増やしていけば弾性率を向上させることは可能ですが、そうすると、切削加工性が低下し、切削加工時に大きな応力が生じ発熱してしまいます。そのため、寸法精度が悪く加工後の変形も大きくなってしまいます。
PBi-amではフィラーの種類やその配合比率の検討を重ね、切削加工性と高弾性率を両立させたSCM5210-5020 の開発に成功いたしました。
SCM5210-5020の特徴
以下に貯蔵弾性率 (曲げ) および 線膨張係数の温度依存性を示します。
![]() |
![]() |
貯蔵弾性率の温度依存性 (曲げ) | 線膨張係数の温度依存性 |
グラフを見ていただいて分かる通り、SCM5210-5020 (オレンジ) はSCM5200-50 (ブルー) と比べても、非常に大きな弾性率 および 小さな線膨張係数を実現しております。
高弾性率素材をお探しの場合は、是非一度ご検討いただければと思っております。
SCM5210-5020の基礎物性
条件 | 規格 | 単位 | SCM5210 – 5020 | SCM5200 – 50 | PAI+GF | |
引張り強さ | 23℃ | ISO 527 | MPa | 90 | 80 | 108 |
引張りひずみ | 23℃ | ISO 527 | % | 0.3 | 0.8 | 5.0 |
曲げ強さ | 23℃ | ISO 178 | MPa | 170 | 120 | 147 |
曲げ弾性率 | 23℃ | ISO 178 | GPa | 21 | 13 | 5.5 |
シャルピー衝撃強さ (ノッチ付) | 23℃ | ISO 179 | kJ m-2 | 2.0 | 1.8 | – |
線膨張係数 | <Tg | JIS K7197 | ppm ℃-1 | 19 | 25 | 27 |
比重 | 23℃ | ISO 1183 | – | 2.20 | 1.80 | 1.55 |
吸水率 | 23℃, 24h | ISO 62 | % | 0.04 | 0.10 | 0.3 |